HOTEL NUQU(第三期)

-Over view-

2年前に48部屋をリニューアルしグランドオープンした、愛知県弥富市のHOTEL NUQUの6部屋増室改装工事。

このコロナ情勢下でも人気のホテルであり、全部屋共通で源泉46.6℃の天然温泉が楽しめる。

今回はガレージを改装し、平置き駐車場を別途設置して6部屋(46㎡の客室+10㎡の露天風呂が2部屋+62㎡の客室+13㎡の露天風呂が4部屋)の増室工事を行った。


-Detail-

ホテル全体のデザインコンセプト「水に因んだ和テイスト」。各部屋にタイトルを設定し、コンセプトとタイトルを同期した。

①110 薄雲(コンセプトカラー:鉄色)
オリジナルデザインクロスとグラフィックカーテンを用いることにより、部屋全体の色バランスを整えつつシームレスに展開。線画タッチの雲には悟空が乗っていたり、テレビを押していたりとユーモラスな要素も取り入れた。

②111 雨帯(コンセプトカラー:藍色)
雨傘をさしている女性のイメージから着想し、浮世絵風の表現を目指した。帯柄を天井と壁につなげ、ライティングでラインを強調。

③112 福水(コンセプトカラー:朱赤)
コンパクトな部屋であるため、R天井で空間を優しくまとめることは決めていた。
「連続するイメージ」というキーワードから、表情豊かな招き猫をモチーフに設定した。福を呼ぶ目出度いイメージとクスッと笑える仕掛けを猫の顔に施した。

④113 水景(コンセプトカラー:翡翠)
大きい面の範囲をグラフィックで表現するため、巻物の様なデザインを考えた。流れ行く風景が途中で微妙な色に変化する。天井はNC抜き開口で木漏れ日の様なニュアンスのあるライティングで、更に自然の風景を想起させるデザインとした。

⑤114 波残(コンセプトカラー:墨黒)
波のさざなみを格子で表現。角度を変えた二重の格子からの光の影が、より立体感を演出する。グラフィックは静かな風景に二羽の鶴。静寂さを追求したデザイン。

⑥115 葦原(コンセプトカラー:白磁)
コンパクトでありながら、唯一バリアフリー設計を取り入れた部屋。車椅子でも食事を摂りやすいデザインにした。角を取ったニッチェや天井のデザインが優しげな雰囲気を醸し出す。


-Designer’s Voice-

全部屋プライベート露天風呂完備という高いポテンシャルを持つ物件。十分な広さを確保しつつ、全部屋間取りもデザインも変化させた。
躯体からの工事であったため、今まで中々手を加えられなかった天井の表現にこだわったデザインを意識。またオリジナルグラフィックデザインの表現方法も線画・浮世絵風・網掛け・グラデーションなど様々な手法を取り入れバリエーションを増やし、更には各部屋、コンセプトカラーの特注信楽焼浴槽と洗面ボウルを設置し、リピーターに飽きさせないデザインを試みた。